ウェブサイトのプログラムにOOPを使う

CherryPyのもっとも強力な機能の一つは、ウェブサイトを「プログラム」するのに、オブジェクト指向アプローチを使うことができることです。

複雑なウェブサイトを見て、いくつかの部分において、コードがかなり共通していることがわかるでしょう。

同じ機能を使っているが、これらの機能は異なる種類のデータに適用されている場合。
同じ情報を表示するが、しかしデータは異なって表示される場合(たとえば、あなたがウェブサイトの複数のバージョンを持っている時、もしくはいくつかの言語用のバージョンがある時)。

両方の場合において、OOPはその問題にエレガントな解決方法を提供し、解決方法を実装するのに必要なたくさんのコードを少なくすむようにしてくれます。

あなたにこれがどのように実行が可能なのかを示すために、２つのバージョン: 英語バージョンとフランス語バージョンを持つウェブサイトを作ってみます。テキストとラベルの変更だけでなく、色やモジュールの表示のされ方も変更してみましょう。

ウェブサイト用に以下のコードを入力します:

#######################
CherryClass Airline abstract:
#######################
function:
    def localize(self, stri):
        return self.dictionnary.get(stri, stri)
mask:
    def header(self):
        <html><body>
            <center>
                <H1 py-eval="self.localize('Welcome to CherryPy airline')"></H1>
                <div py-if="self==airlineFrench">
                    <a py-attr="request.base+'/airlineEnglish/index'" href="">
                        Click here for English version
                    </a>
                </div><div py-else>
                    <a py-attr="request.base+'/airlineFrench/index'" href="">
                        Cliquez ici pour la version fran\xe7aise
                    </a>
                </div>
                <br><br><br><br>
    def footer(self):
            </center>
        </body></html>
    def squareWithText(self, title, text):
        <table border=0 cellspacing=0 cellpadding=1 width=200><tr>
            <td py-attr="self.borderColor" bgColor="">
                <table border=0 cellspacing=0 cellpadding=5><tr>
                    <td py-attr="self.insideColor" bgColor=""
                        align=center width=198 py-eval="'<b>%s</b><br><br>%s'%(title,text)">
                    </td>
                </tr></table>
            </td>
        </tr></table>
view:
    def bookAFlight(self):
        page=self.header()
        page+=self.squareWithText(self.localize('Booking a flight'),
            self.localize('To book a flight, think about where you want to go, and you should dream
about it tonight'))
        page+=self.footer()
        return page


#######################
CherryClass AirlineFrench(Airline):
#######################
variable:
    insideColor='#FFFF99'
    borderColor='#FF6666'
    dictionnary={
        'Welcome to CherryPy airline': 'Bienvenue chez CherryPy airline',
        'Booking a flight': 'R\xe9server un vol',
        'To book a flight, think about where you want to go, and you should dream about it tonight':
            'Pour r\xe9server un vol, pensez tr\xe8s fort \xe0 la destination, et vous devriez en r\
xeaver cette nuit'
    }
view:
    def index(self):
        page=self.header()
        page+=self.squareWithText('R\xe9server un vol', 'Pour r\xe9server un vol, cliquez sur <a hre
f="%s/bookAFlight">r\xe9server</a>'%self.getPath())+'<br>'
        page+=self.squareWithText('Pr\xe9sentation', 'CherryPy airline est la compagnie qui vous emm
\xe8ne au 7\xe8me ciel')
        page+=self.footer()
        return page

#######################
CherryClass AirlineEnglish(Airline):
#######################
variable:
    insideColor='#00CCFF'
    borderColor='#3333FF'
    dictionnary={}
view:
    def index(self):
        page=self.header()
        page+=self.squareWithText('Presentation', 'CherryPy airline is the company that will take yo
u to cloud 9')+'<br>'
        page+=self.squareWithText('Book a flight', '<a href="%s/bookAFlight">Click here</a> to book
a flight'%self.getPath())
        page+=self.footer()
        return page

#######################
CherryClass Root(AirlineEnglish):
#######################

このプログラムはCherryPyの新しい機能をたくさん使います。どのようにこれが動いているのかを理解してみましょう:

考え方としては汎用のCherryClassである(AirLine)を使うことですが、このクラスはウェブサイトの両方のバージョン(英語バージョンとフランス語バージョン)に共通するfunction, mask, viewが入っています。それから、各バージョンの特性を実装するために２つのCherryClass(AirlineFrenchとAirlineEnglish)を使ったわけです。

各バージョンの特性を実装するには２つのやり方を使います:

差異はラベル(これらはフランス語バージョン用にフランス語に翻訳されます)だけです。この場合、単に翻訳されたものを実装するのにディクショナリを使うだけです。
もしくは、情報の表示方法も変更します。この場合、各メソッドの２つのバージョンを記述します。

今回の例はCherryPyの新しい機能をいくつか紹介しています:

CherryClassを抽象化する: 今回の例では、CherryClass Airlineが「abstract」と宣言したことに注目してください。これは単にサーバーがairlineと呼ばれるCherryClassのいかなるインスタンスも作成できないということを意味しています。この結果、あなたはURL http://localhost:8000/airline/index を使うことができません。これの考え方というのはAirlineが直接使われることが不可能なようにということから来ています。これはサブクラスに派生される必要があり、これらのサブクラスのみがブラウザからアクセスされることができるわけです。
変数の選択: 今回の例がCherryClass内の新しい種類のセクション:variableを使う事に注目してください。これはこのCherryClassで変数をデフォルトにセットするために使われます。
self.getPath(): デフォルトでは、各CherryClass用にCherryPyはgetPathと呼ばれるメソッドを作成します。このメソッドはCherryClassのURLを返します。例えば、AirlineFrencch CherryClassの場合、getPathはhttp://localhost:8000/airlineFrenchを返すはずです。

次の章では、コードをいくつかのファイルに分離するやり方を学びます。。。

Debian User 2003-10-13